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航空歴史館技術ノート 掲載11/10/15

  
航空機に描かれた国旗の順逆について


佐伯邦昭

〇 逆に画かれた国旗  

1 問題提起

2011/09/25 東京国際空港 フィリピン大統領特別機A320

国旗

 フィリピン大統領特別機A320に画かれた国旗について、権威者から疑問が寄せられました。国旗は旗ざおが左にあり左から右にたなびくのが正規の描き方ではないかという訳です。
国の威信にかかわることですから、フィリピンにも理由があるのでしょう。進行方向になびかせたとか。しかし、旗の裏のような印象を免れませんね。羽田ウオッチャーの皆さん、これからも注意してみてください。 


2 反論 金しゃちさんから

 各国のエアラインを見ると進行方向から後ろにたなびくのが一般的です。日本のように左右対称の国旗ではわかりにくいですが、米国ですら左右反対向き、つまり進行方向から後ろに向かってたなびいています。

 エアホース ワンは、それこそ国家の威信にかかわる問題ですから、逆の画き方がおかしいという思い込みは誤りではないでしょうか。

 アメリカ デルタ航空 Boeing 757-251 N543USの例です
 

 シンガポール航空 A-330-343E  9V-STMの例です。

 


3 結論 

 金しゃちさんの言うとおり、たしかにスターボードサイド(右側)の国旗は、進行方向に沿ってなびいている画き方が圧倒的に多いです。

 その中での例外を掲げておきます。マレーシア空軍のBoeing 737-7H6 M53-01です。

 進行方向に関係なくこれが正しいというのか、M53-01の左読みに揃えるという気持ちなのか、マレーシア空軍の考えはわかりませんが、やっぱり自然な感じを受けます。

 

 

 あり得ない話ですが、仮にローマ字と数字を進行方向に合せて(右読みで)書いたら、A380は083Aとなってしまいます。

 ローマ字と数字には絶対法則がある訳です。
 国旗にもあるのでしょうか。ありませんね。表から描こうと裏から描こうと自由でしょう。

 

ただ、問題提起をした権威者さんには拘りがあると思うのです。

 日本国旗のルーツは、明治3年に公布された太政官布告によります。その別表によりますと、旗竿へ結ぶ紐の位置から左になびいて書かれており、日章(日の丸)は風上側へ1.42/100ほど寄っています。

 そして、平成11年に公布された国旗及び国歌に関する法律は、左右対称の図を乗せた上で、次の例外規定を設けています。

 日章旗の制式については、当分の間、別記第一の規定(縦は横の2/3、日章は中心)にかかわらず、寸法の割合について縦を横の十分の七とし、かつ、日章の中心の位置について旗の中心から旗竿側に横の長さの百分の一偏した位置とすることができる。

 権威者さんは、基地などで国旗掲揚時には姿勢を正して敬意を表するし、家では祝日に日の丸を掲揚するお方です。多分、子どもの頃から日章が風上側へ1.42/100ほど寄った日の丸の教えを受けており、しかも、描く時には自然に左から右になびかせ、それが表であり、正規の表示であるというように染み付いているに違いありません。

 

 結論として、いかなる国といえども、様々な議論が行われての描画でありましょう。国の権威にかかわることでありますから、その決定には畏敬の念をもって従うこととしましょう。

 因みに、日本外務省がホームページに 載せている日本国旗は、上記法律の例外規定に従っており、日章が明らかに左に寄っております。外国人に分るかな。

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1997