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図書室  書評 佐伯邦昭  掲載2013/10/02

 

書 評 私のアルバムから 伊丹・甲南

付 大型飛行艇の時代 カレンダー販売中

  『私のアルバムから 伊丹・甲南』 

体 裁  A4判(横) 
      128ページ・上製本(ハードカバー)
      収録写真 169枚 

定 価  3,800円(税別

 

・ 赤塚流執念

  過去2冊の“航空機写真集私のアルバムから”(T64)が主として厚木 、横田、立川、羽田で写真を撮っていた人たちのアルバムからの収録であったのに対して、伊丹、甲南、八尾などで活躍していたマニアのアルバムからの写真集です。

 と言えば簡単な紹介で済んでしまいますが、実は、誰かがやらなければならないのに、誰も手を付けなかった作業を、赤塚さんが情熱を込めてやってくれたのです。その情熱というのは、多分、2007年に「浪速の名匠 高見保市展」を手掛けた頃に、関西のヒコーキマニア達の古い写真を見て触発され、関東の2冊だけでは航空史を語りきれないという思いに発するのでしょう。

           

 去る9月22日の出版記念パーティの挨拶で、彼はこのシコルスキーCH-37Bのページを手にしながら「まさかモハービの写真が大阪のマニアのネガに有るとは予想もしておらず、これは何としてでも世に出さなければと決心した」と語っていましたが、たまたま 解体のため木更津に向かう際に立ち寄っただけの超レアな写真記録もそうですが、隠していたのかと思うほど珍しい写真を大量に発掘できたのは、彼の執念に他なりません。            


             赤塚薫さん

 
          乾杯の発声 山内秀樹さん               パーティー参加者一同

・ インターネット航空雑誌ヒコーキ雲を意識?

 ビールを汲みを交わすうちに、彼は「佐伯さんのために作ったんです」と94ページ以降の民間機を説明し始めたのです。うーん、ドラッグシュートを引くカラベル、ダブ、DC-4、DC-6B、 DC-7C、DC-3、CV240、オター、マラード、スーパーウイジョン等々が伊丹、琵琶湖、白浜などの風景をバックに続々と現れ、当方もカラベル以外はその数十倍の写真をのせていますが、おー、こんなのもあったかと驚くマーキングも‥   してやったりの赤塚さんの顔が浮かびます。


長崎航空マークのマラード


対波テスト中のマラード

・ ノスタルジー以上の価値

 伊丹の新明和興業(後の新明和工業)で整備された米軍機、自衛隊機の写真には、どうやってもぐりこんで撮ったのかいなと思うスクープ物があるし、それ以上に新明和甲南工場の場内から撮った数々の本邦初公開写真は、ノスタルジー以上の価値があります。海自広報が欲しがるのではないかな。

 山内秀樹さんの解説は例によって例の如し、無機的な解説のみでなく、写真を写した連中、或いは整備や生産に携わったOBたちの苦労や息遣いまで懐かしく伝えたいと欲張ってあります。オールドマニアは熟読を。

注  解説168番 日東航空JA5117が元社長専用機としての高級な焼付塗装故に僚機と同じ塗装に塗り替えられることはなかった、とありますが、日本国内航空時代にはJDAカラーに塗り替えられていますので念の為

・ 難点を言えば、あれ? 同時期に飛んでいたあの機種が無いなというようなことではないでしょうか。また、写真解説が本文と巻末に分けてあるのも読み手には面倒なことです。しかし、大量のネガを涙を飲んで振り落としながら、128ページ 内に169葉の写真をまとめるのは並大抵の苦労ではありません。そこに敬意を表し、他を節約してでも求める価値のある写真集であると推薦をしておきます。

 航空歴史館 1957年頃の新明和興業伊丹工場 も併せてご覧ください
 


● 内容や購入に関する問い合わせ
  
  〒243-0406 神奈川県海老名市国分北1-2-5-406
 AGCアート 赤塚 薫
  TEL/FAX
 046-233-6127 E-mail snb5p1129@hotmail (後ろに.comを付ける) 

   購入方法:上記へ現金書留で料金を送るかメールで申し込み、その後指定の銀行口座に料金を振り込む。その場合の価格は4,300円(税・送料込)

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日替わりメモ 10月2日


〇 
私のアルバムから 伊丹・甲南

 今日から発売された『私のアルバムから 伊丹・甲南』です。内容等については、私の独善批評を読んで、面白いなと思ったら、どうぞ買ってあげてください。

 併せて帆足さんの鉛筆画による来年の飛行艇カレンダーの宣伝も代行しておきました。

 

 『私のアルバムから 伊丹・甲南』出版記念パーティが大阪のリバーサイドホテルで行われ、私もはるばる広島から駆けつけました。ヒコーキが飯より好きで、伊丹や甲南に日参してレンズを向けていた人たちの集まりですから、楽しかったですね。

 私は、浪速の名匠高見保市さんの隣に座ったので、見事としか言いようのないソリッドモデルや新明和工業の内部写真などでいろいろと勉強した次第です。

      

      
     

 ただ、残念に思ったのは、かって一世を風靡していた関西航空機写真クラブいわゆるKAPC人生録参照)のメンバーが山内秀樹、佐藤潔、中井八郎の各氏くらいの出席で、私に多大の感化を与え、インターネット航空雑誌ヒコーキ雲の原点にもなってくれた上田新太郎君らの顔が無いことでした。

 病気や他都市への転居でマニアから離れてしまうのはやむを得ないこととはいえ、せっかく大阪へ行きながら、あの当時の懐かしい話しを交わすことができず、そこだけぽっかり穴が開いたような気持ちで大阪を後にしたのが心残りです。

 という訳で、当時のKAPC主力メンバーの一人倉本信章君が、マニア活動はしていないものの、中小企業の社長として頑張っていると聞きましたので、彼の傑作写真を1枚載せておきます。1968年4月16日伊丹での大韓航空F-27です。

 
 実はこの本にフレンドシップが取り上げられていないので、多分、涙を飲んで落したのだろうと赤塚さんに言ったら、そのとおりでした。限られた誌面に限界線を引くのは断腸の思い、編集者にとって鬼門中の鬼門です。よく分かります。

 だから、読者から気持ちは分るよと言われると無性にうれしくなるものです。そんな意味を込めて、この本を手に取って貰いたいし、率直な意見を送ってやってほしいと思います。
 

大型飛行艇の時代 カレンダー販売中
 

鉛筆で描く航空機画家として知られる帆足孝治氏初のカレンダー 選りすぐりの大型飛行艇を13機揃えました。紙質は厚手のクリーム地エンボス紙で、室内のどこにも飾りやすいA3縦サイズです。

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