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謝 辞 2018/05 佐伯邦昭

 

  科学技術展示館F.A.M.E.ギャラリー館長 飯野 明教授ご退職


 

 


 1983(昭和58)年から35年間、東京都立航空工業高等専門学校→東京都立産業高等専門学校を通じて多くの人材を航空界などに送り出してきた飯野 明先生が退職されました。

 本稿の表題を「科学技術展示館F.A.M.E.ギャラリー館長 飯野 明教授」としているのは、私が何回か同校を訪問し、その目的が科学技術展示館F.A.M.E.ギャラリー(以下「展示館」と略)の見学であり、その都度、お忙しい中を展示館を案内して頂き、展示機体とエンジンについて懇切な説明に預かった深い思い出があるからです。

 写真は、2011年3月の訪問で展示館の見学の後、先生の研究室でいろいろとお話を伺った時のもので、柔らかいお人柄がにじみ出ていますが、実は、航空機やエンジンの保存と展示には、この人が居なければ今の姿は無かったと言わせる強靭な力を発揮してこられた歴史があるのです。

 


 

 この三角翼を広げたような特異な形の立派な展示館は、鈴木俊一都知事(1979〜1995)の英断で建設され、1991(平成3)年に竣工しました。戦時中に建てられた格納庫(戦後は一時体育館併用)の中にあった機体を展示館へ移すに当たっては他の学科から航空工学科への風当たりが強い逆風状態の中で、絵畑義衛先生らと抵抗し、一部は、成田の航空科学館などへ引き取ってもらったりして、素晴らしい中身を実現したのでした。

 その経緯は、A3618-1に書いておりますが、私がもうひとつ感心するのは、無料で提供されている解説書であります。

  解説書は、開館当初1991年、1997年、2000年の3度発行され、いずれも飯野先生の手になるものです。右写真の2000年発行分は、A4版22ページから成り、
・ 学校と展示館の沿革
・ 航空と宇宙の歩み年表 航空切手12枚添付
・ 固定翼機 9機のカラー写真と説明
・ ヘリコプター 5機のカラー写真と説明
・ 航空機エンジン 14基のカラー写真と説明
・ ロケットと人工衛星 7基のカラー写真と説明
・ NHKアイデア対決ロボットコンテストのロボット 8基
・ 展示館の平面図、規模 学校案内地図

という内容で、とても見易く、これだけで一通りの航空案内書となっています。航空知識に加えて相当の編集能力がないとこれだけにものは出来ません。しかも、素人事務員のミスで、写真著作権を出版社に奪われたりした事件も乗り越えての2002年版でありますから立派なものです。

  展示館ができる以前に文化祭などで学生の作った解説書に誤りが多いために、それを正すために、全部の機体についての解説書を飯野先生が書き下ろし、それが展示館建設の資料となったそうです。
 → 航空高専のストルブ SA-300 スターダスターツーのホームビルト機は、同校の自作機研究同好会がOBの協力も得て放課後、休み中を使って8年ががかりで製作しました。1976年入間の第5回航空宇宙ショーにも出展され、その製作過程などが1978年にNHK教育テレビ若い広場「100人の若者たちの複葉機」で放映されました。勿論、飯野先生もかかわっています。

 インターネット航空雑誌ヒコーキ雲においても、2011年まで適当に書いていた展示物の紹介に1機ずつ朱筆を入れて頂きましたし、古い航空雑誌の提供など随分お世話になっています。

 


 さて、2002年版解説書の1ページの紹介文にある先生の意気込みを読み取って頂きましょう。

 日本航空協会は、展示館の6機種を重要航空遺産に認定しました。それ以外にも、歴史的価値の高い航空機と発動機を保有する展示館として、大変価値の高い施設であります。しっかりと守り育ててこられた飯野 明館長に心から感謝申し上げます。

 今後、その貴重な学識経験を航空史分野で存分に発揮されますよう祈念し、また、インターネット航空雑誌ヒコーキ雲のレベルアップのためにも引き続きアドバイスをお願いして謝辞といたします。