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航空歴史館

 

試作海軍特殊攻撃機橘花とネ20ジェットエンジンについて

 

千葉県木更津市 新 昭和20年木更津海軍航空隊のネ20橘花と試作海軍特殊攻撃機橘花
東京都昭島市 IHIそらの未来館のネ20 (その他IHIが開発製造したジェットエンジンを含む)
東京都西東京市 おおぞら公園のジェットエンジンのふる里記念碑

 

参考文献

1960年出版協同社刊岡村純巌谷英一著「日本の航空機 海軍機篇」、1963年同社刊「日本航空機総集 中島篇」ほか

 

A3514-13 千葉県木更津市 旧木更津海軍航空隊 
       Japanese Imperial Navy Kisarazu Base, Kisarazu City, Ciba Pref. 
 
新  海軍試作特殊攻撃機橘花、ネ20エンジン
  種子島時休海軍大佐がフランスのタービンエンジンの情報をもたらす
1944/07 巌谷海軍技術中佐がMe262の情報をもたらす
1944/08 海軍航空本部が石川島にネ130、中島・日立にネ230、三菱にネ330試作を発注
1944/11 海軍航空本部が特殊攻撃機橘花の試作を中島飛行機に命令
1945/01 第一海軍技術廠(空技廠)がジェットエンジンをネ20に絞って製造開始
1945/03/26 ネ20 火入れ運転開始
1945/0〜04 橘花 中島飛行機太田・小泉工場空襲のため点在する農家の養蚕小屋に機械を移転
1945/04/01 第一海軍技術廠に噴流部設置 ネ20開発担当
1945/06 ネ20 6号機(生産型1号機)完成 
1945/06/29 橘花1号機が養蚕小屋で完成
1945/07 ネ20 一式陸攻による空中実験
1945/08/07 橘花 木更津飛行場で高岡廸海軍少佐による初飛行成功
1945/08/10 橘花 敵艦載機空襲の報により第2回試験飛行中止
1945/08/11 橘花 高岡廸海軍少佐による第2回試験飛行 浮揚せず海中にクラッシュ
1945/08/15 橘花 木更津飛行場で2号機を整備中に終戦となる 
1945/08/15 橘花 群馬県内の養蚕小屋に22機分の未完成機体が残る 処理状況は不明
1945 ネ20 橘花2号機 米軍が接収
  橘花2号機 スミソニアン国立航空宇宙博物館 スティーブン F. ユードバー ハジーセンターに保管
  ネ20 ノースロップ工科大学が取得
  ネ20 運輸省舟津良之氏が借り受けて日本に持ち帰る
  ネ20 石川島播磨重工に永久貸与、田無工場に保管
現在 ネ20 IHI そらの未来館に展示 

友人から提供のプリントから   


 第2回飛行試験で木更津の海へ突っ込んだ原因について は、スタート時にフラップの15度下げを怠ったためとか、JATOの取付位置が悪かったためとか諸説があります。
 その原因究明は別として、機体もエンジンもドイツの模倣とはいえ、極めて乏しい資料から大変な困難の末に国産化を果たし、試験飛行に成功したことは立派な事績ですが、半面、牽引機材など作る余裕も無かったであろう姿を見るにつけ、日本が明治から辿ってきた洋風技術の止揚発展の内実を示す歴史的一断面ではないでしょうか。
 なお、不思議なのは、アメリカは当然に橘花の情報を掴んでいたと思うのですが、前日の空襲でも木更津飛行場を避けているようです。勝利を確信した段階で、この技術を我が物にしようという作戦がここにもあったのでしょうか。
2018/12/11 佐伯邦昭)

そら

A3636-1 東京都昭島市拝島町 IHIそらの未来館
     
IHI AEROSPACE MUSEUM, Haijima-Cho, Akishima City, Tokyo Metropolitan  
 
 IHI そらの未来館 

ネ20エンジン 

 戦後アメリカ軍により接収された後、変遷を経てノースロップ工科大学(Northrop Institute of Technology)で教材として使われていたものだそうです。
 アメリカに留学した舟津良行氏がそれを知り、いろいろ苦労して借受に成功しました、1973年入間の航空ショーに展示後、この開発に心血をそそいでいた石川島播磨重工の森氏が無断で田無工場(西東京市)へ持ち帰ったため、紛糾したあげく永久貸与で決着したといわれます。
 ノースロップ工科大学で無造作に黒い塗料が重ね塗りされていたり、油圧系統の配管は水色、燃料系統の配管は赤に塗り分けられたりしています。

撮影2012/01/19 中里重雄  


IHI そらの未来館 (福生昭島新春町歩きツアーにて)


参考 各地での展示から

立川防災航空祭 撮影1999/11/21 ELINT人

撮影2002/11/17 立川防災航空祭  にがうり

2004年国際航空宇宙展IHI(石川島播磨重工業)ブース  撮影2004/10/09 ねこまた重工株式会社

ノズルとタービン

燃料配管と点火プラグ

スターター、コンプレッサー、オイルタンク
 前部にあるスターター、上部にあるオルタネーター、脇に付いている水色のオイルタンクは全て戦後のアメリカ製です。これらを付けて、ノースロップ工科大学では実際に動かしていたそうです。

燃料ポンプ、オイルポンプ 
 エンジン下部に付いている燃料ポンプとオイルポンプ(水色)は「ネ20」オリジナルのものだそうで、燃料ポンプに日本語の表記があることが端緒となり、調査の結果、これが「ネ20」であることが確認されたそうです。

燃料ポンプの日本語

ノースロップ工科大学のプレート
 交渉の結果、ノースロップ工科大学のプレートを貼ることを条件に返還されたそうです。

ネ20断面図

 コンプレッサーは8段で圧縮比は3程度、タービンは1段 本体の材質は鉄、ノズルはステンレス、タービンの材質は試料が取れないので調べていないがマグネシウム系だろうとのことでした。タービンに亀裂が多数見られるので、運転は不可能とのことでした。

あおぞら

A3653-12 東京都西東京市向台町3丁目 おおぞら公園
       Aozora Park, Monu. of Home of Jet Engine, Nishitokyo City, Tokyo Metropolitan   

                        
 西東京市おおぞら公園のジェットエンジンのふる里記念碑 撮影2009/06/07  にがうり

 















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